会社設立後の手続き・届出等のやることリスト【税務署・年金事務所・自治体・ハローワーク・銀行】

無事会社の設立登記を終えたら、いざ事業スタート!

…といきたいところですが、残念ながらそういうわけには参りません。

なぜなら登記申請を終えた後にも、開業までに必要な手続きがいくつかあるためです。

当記事ではこれから起業する皆さんが登記後の手続きで悩むことがないよう、必要書類やその提出先など、会社設立後にやることをご紹介いたします。

まず最初にご紹介するのは、法人用銀行口座の開設です。

個人口座を法人用として用いることも可能なのですが、社会的信用を得るためにも法人用の口座は起業時に開設するようにしましょう。

口座開設のために必要な書類および持参物は以下の通りです。

1.履歴事項全部証明書(登記簿謄本)

法人としての本人確認書類として必要です。法務局や郵送、オンラインで取得することができます。
登記に関する各種手続きをオンラインで行えるサイト「登記ねっと」のWebサービスである「かんたん証明書請求」を利用すれば、ネット上から簡単に取得できるため、特にオススメです。

2.代表者個人の本人確認書類

法人口座の「代表者」としての個人の本人確認書類です。運転免許証や保険証などが該当します。

3.法人の印鑑

登記の際に法務局で登録したものが必要です。

4.銀行届印

銀行に届け出る印鑑です。
法人の印鑑とは管理上の理由から分けて使用する会社がほとんどです。

5.法人の印鑑証明書

最寄りの法務局や郵送、オンラインで取得することができます。
履歴事項全部証明書と同様にオンライン取得が最も簡単ですが、あらかじめ「法人の電子証明書」を取得しておく必要があるので、ご注意ください。
法人の電子証明書の申請は「登記・供託オンライン申請システム」から行うことが可能です。

6.法人番号がわかるもの

法人番号通知書などが該当します。
法人番号通知書は登記完了後におよそ1週間ほどで法務局から届く書類です。

以上が法人口座開設時に最低限必要な書類です。

そのほか定款や事業計画書、株主名簿など開設する銀行によって求められるものが異なりますので、都度準備するようにしましょう。

尚、法人口座の開設では1週間〜2週間ほどの審査が行われます。

そして審査に通過してから1週間ほどでカードが送付されるという流れです。

個人口座のように書類提出後に即日開設はできませんので、あらかじめ認識しておいてください。

会社設立後にやること②:税務署関連の手続き

税務署に提出する書類は国税に関する届出書です。

会社所在地を管轄する税務署の窓口に直接持参、もしくは郵送にて提出することが可能です。

税務署の所在地は「国税庁 – 税務署の所在地などを知りたい方」から知ることができます。

提出が必要な種類は以下となります。

1.法人設立届出書

法人設立届出書は、会社が設立されたことを税務署に届け出るために必要な書類のことを指します。

会社設立日から2ヶ月以内に届け出る必要があります。尚、提出の際には以下の書類を添付しなければなりません。

・定款のコピー
・株主名簿
・設立時の貸借対照表

フォーマットは「国税庁 – 法人設立届出書」から入手可能です。

2.青色申告の承認申請書

法人税の申告にて青色申告を選択するために必要となります。

「会社設立日から3ヶ月以内」「最初の事業年度終了日」のいずれか早いほうが提出期限です。

フォーマットは「国税庁 – 青色申告の承認申請書」から入手可能です。

3.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

従業員が10人未満である場合に源泉所得税の納期の特例制度の承認を受けたい場合に届け出る書類です。

こちらの書類を提出すれば、本来毎月10日までに納付すべき源泉徴収税を半年に1回まとめて納付する特例を受けることができます。提出は任意ですが、大した手間ではないので提出しておいた方がよいでしょう。

提出した日の翌月に支払う給与から適用されますので、できる限り迅速に提出しましょう。

フォーマットは「国税庁 – 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」から入手可能です。

4.給与支払い事務所等の開設届出書

役員や従業員に給与を支払うために届出が必要な書類です。

会社設立日から1ヶ月以内に提出する必要があります。

フォーマットは「国税庁 – 給与支払い事務所等の開設届出書」から入手可能です。

以上が起業時に税務署へ提出が必要な主な書類となります。

そのほか必要に応じて「減価償却資産の償却方法の届出書」「有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書」などの提出を行わなければなりません。

会社設立後にやること③:各地方自治体関連の手続き

各地方自治体に提出する書類は、住民税や事業税といった地方税に関する届出書です。

原則として「会社所在地の都道府県事務所」と「市町村の法人住民税課」の両方に提出する必要がありますが、東京23区の場合は都税事務所のみとなっています。

提出が必要な書類は以下の通りです。

1.事業開始等申告書(法人設立届出書)

記載事項や添付書類は税務署へ提出時に必要なものとほとんど変わりません。

ただし各地方自治体によってフォーマットや提出期限もそれぞれ異なるため、自治体のホームページ等で調べておく必要があります。

2.住民税の納期の特例の承認に関する申請書

給与の支払いを受ける人が常時10人未満である場合で住民税納付の特例制度の承認を受けたい場合に届け出る書類です。

役員報酬や給与支払い先の役員・従業員が住んでいる各自治体から承認を受ければ、本来毎月10日までに各自自体に納付すべき住民税を半年に1回まとめて納付するだけで済みます。提出は任意ですが、源泉所得税の納期特例申請同様、大した手間ではないので提出しておいた方がよいでしょう。

各地方自治体によってフォーマットや適用タイミングが異なりますので、予め各自治体のホームページなどで確認を行いましょう。

会社設立後にやること④:年金事務所関連の手続き

年金事務所に提出する書類は、健康保険や厚生年金の加入手続きなどに関する届出書です。

各届出書類は日本年金機構のHPから取得することが可能です。年金事務所の窓口に直接持参、もしくは郵送で提出できます。

提出が必要な書類は以下の通りです。

1.健康保険・厚生年金保険新規適用届

会社設立後に社会保険に新規で加入する際に必要な届出書です。

提出期限は会社設立から5日以内です。

フォーマットは「日本年金機構 – 健康保険・厚生年金保険 新規適用届」から入手可能です。

2.健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

社会保険の加入要件を満たす従業員を雇用する際に提出が必要な書類です。

社会保険の加入要件としては以下が挙げられます。

・所定労働時間が週30時間以上である
・以下の項目をすべて満たしている

①所定労働時間が週20時間以上
②月額賃金88,000円以上
③勤務期間1年以上見込み
④学生でない

提出期限は従業員の入社日や勤務形態の変更日から5日以内となります。

フォーマットは「日本年金機構 – 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」から入手可能です。

3.健康保険被扶養者(異動)届

役員の就任や社員の入社の時点で既に扶養家族がある場合、被扶養者を追加する場合、氏名変更があった場合などに必要な書類です。

提出期限は従業員の入社日や婚姻の日、子供が生まれた日、就職等で扶養家族でなくなった日などから5日以内となります。

フォーマットは「日本年金機構 – 健康保険被扶養者(異動)届」から入手可能です。

会社設立後にやること⑤:ハローワーク(公共職業安定所)関連の手続き

ハローワークに提出する書類は雇用保険に関する届出書です。

各書類はハローワークのホームページから入手できます。ハローワークの窓口に直接持参して申請する方法と、e-Govから申請する方法があります。

提出が必要な書類は以下の通りです。

1.雇用保険適用事業設置届

雇用保険の加入対象となる従業員を初めて雇用した際、雇用保険に加入するために提出が必要な書類です。

正社員やパートといた雇用形態を問わず、以下の条件を満たす場合は雇用保険の加入対象となります。

・31日以上の雇用見込がある
・1週間当たりの所定労働時間が20時間以上

従業員を雇用した翌日から10日以内に届け出る必要があります。

フォーマットは「ハローワーク インターネットサービス – 雇用保険適用事業所設置届」から入手可能です。

2.雇用保険被保険者資格届

雇用保険の加入対象となる従業員を雇用するたびに提出が必要な書類です。

提出期限は入社した日の翌月10日以内です。

フォーマットは「ハローワーク インターネットサービス – 帳票一覧」から入手可能です。

会社設立後にやること⑥:役員報酬の決定

最後にご紹介するのは「役員報酬の決定」です。

意外と知られていないことですが、役員報酬は会社を設立してから3ヶ月以内に決定しなければなりません。

もし3ヶ月以内に決定しなければ役員報酬を損金*に算入することができなくなってしまいます。

※損金:費用の一部。法人税を算出する際に収益から差し引くことのできる費用のこと。

所得とは収益から損金を差し引いたものを指すため、役員報酬を損金として算入すると所得額が減り、法人税の支払いを減らすことが可能となるのです。

法人税の支払い額を低く抑えるスタートアップ時は特に重要となるため、役員報酬の決定は必ず行うようにしましょう。

なお、役員報酬を決定する際に必要な手続きは以下となります。

1.株主総会で決議を行う
2.社会保険加入の手続きを行う
3.役員が居住している市区町村へ住民税の届出を行う

まとめ

以上、会社設立後にやるべきことをご紹介致しました。

一見すると煩雑な作業のように思われるかもしれませんが、各種書類が取得できるサイトや提出先をあらかじめ把握しておけば、それほど難しい作業ではありません。

記事内に記載した通り、決められた期限内に必ず行うようにしましょう。