商業登記電子証明書を取得して会社の経理・労務業務を時短しよう!

商業登記電子証明書

源泉徴収税の支払いや、労使協定の提出、登記手続など、毎回金融機関や役所に足を運んで時間を無駄にしていませんか?特に法務局や労働基準監督署などから距離のあるところにオフィスを構えていたりする場合はすごく面倒ですよね。

商業登記電子証明書を使えば、様々な行政手続をオンラインで済ませることができるので、そういった無駄な時間を削減することができます。今回はこの商業登記電子証明書を使って出来ることや、申請の流れ・費用等々についてご紹介していきたいと思います!

電子証明書は法人を特定し本人であることをオンライン上で証明・確認するために利用するものです。

法務省が提供する「商業登記電子証明書」では、法務局にて電子証明書の発行やその有効性についての証明を行ったうえで発行される商業登記に基づく電子証明書です。具体的には、「会社・法人の代表者等」に関する電子証明を行うことができます。

民間事業者が発行する電子証明書やマイナンバーカードに格納されている電子証明書もありますが、これらは「個人」を電子証明するものです。

「会社・法人の代表者等」を電子認証してくれる「商業登記電子証明書」を利用することで、国や地方公共団体等に対する多くの申請・届出等の行政手続をオンラインで済ませることができます。

商業登記電子証明書の仕組み

では、商業登記電子証明書は電子申請手続においてどのように活用されるのでしょうか?

大まかな流れは以下のとおりです。

商業登記電子証明書の仕組み

①申請書と公開鍵等を記録した証明書発行申請ファイルを管轄の登記所に提出して発行申請を行います
②登記所では印鑑の照合等の調査後、電子認証登記所に登録処理を行います
③インターネットで電子認証登記所へアクセスし電子証明書の送信を受けます
④取引相手へ送信する電子文章を作成・暗号化し、電子証明書をインターネットを通じて相手方へ送信します
⑤取引相手はインターネットで電子証明書の有効性について電子認証登記所へ確認を行い、不正な改変がないことを確認します

オンラインで行政手続するメリット

オンラインで行政手続を済ませることで大きく3つのメリットがあります。

1.移動時間の削減

2.時間外申請

3.手数料・業務削減

まず1つ目のメリットが、移動時間の削減です。申請のためにオフィスから役所まで往復する時間や、窓口で待つための時間は、積み重なると結構なものになります。

2つ目のメリットは、対応窓口の対応時間外でも申請できるということです。オンラインでの申請になるため、窓口の時間を気にせずに手続きをすすめることができます。ただし、夜間利用や年末年始は申請先である相手方のシステムが利用制限されている場合もあるので、事前に申請先のシステム稼働時間を確認しておきましょう。

3つ目のメリットは、手数料が安くなったり、添付書類を省略できる場合があるという点です。例えば、会社代表者等の印鑑証明書を窓口や郵送で交付した場合450円かかりますが、オンライン申請で郵送受け取りの場合は410円になります。また、供託の申請においては、オンラインで申請することで資格証明書の添付省略が可能になります。

商業登記電子証明書でできること

有効な商業登記電子証明書さえあれば、実に様々な行政手続きをオンライン上で済ませることができるようになります。

法務局関連の手続き

登記事項証明書等の交付請求などは電子証明書がなくても「かんたん証明書請求」を利用して行うことができますが、印鑑証明書の請求や商業・法人登記の申請に関しては電子証明書が必要です。

これらの手続きに関しては、別途、法務局が提供する「申請用総合ソフト」を利用して、電子証明した申請を行うことで、オンライン上で手続きを行うことができるようになります。

国税関連の手続き

国税関連の各種届出はもちろん、オンラインバンクやクレジットカードがあれば、役員報酬・従業員給与・税理士報酬・業務委託報酬等の源泉徴収税の納付など、国税関連の定期的な業務もe-Taxで完結できるため非常に便利です。

地方税関連の手続き

eLTAX

eLTAXは法人都道府県民税・法人事業税、法人市町村民税など様々な手続きで利用できますが、住民税に関する申告等の利用ができるのが非常に便利です。

主に専用ソフトの「PCdesk」を使って電子申告や納税を行い、eLTAXのWEBサイトから電子申請・届出を行います。

社会保険・労働保険関連の手続き

e-govシステム

e-Gov電子申請システムを利用することで、社会保険や雇用保険をはじめ各種手続きの申請・届出をオンラインで完結させることが可能になります。

4月などの入社が多い月など窓口が非常に混み合いますが、オンラインなら待ち時間なく申請を済ませることができます。

特許の出願手続き

特許庁の提供する「インターネット出願ソフト」をダウンロード請求後インストールを行い、申請人利用登録を行うことで、インターネット出願ソフトを用いて、自宅や社内のパソコンから特許庁への特許等の出願や、特許庁から書類等の受け取りをオンラインで行うことが可能になります。

自動車保有関係手続のワンストップサービス

車の新規登録や移転・変更登録など、車に関する手続きをオンラインで行うことができます。

総務省 電波利用 電子申請・届出システム

無線局や基準認証に係る手続きなど、電波利用に関する手続きをオンラインで行うことができます。

防衛装備庁 電子入札・開札システム

防衛装備庁が提供しているオンライン電子入札・開札システムを利用できます。

オンラインによる支払督促手続(督促手続オンラインシステム)

支払督促事件のうち一定の類型についてインターネットを利用して申立て・通知・照会ができます。

政府電子調達システム(GEPS)

政府が行う「物品・役務」及び「一部の公共事業」に係る一連の調達手続をインターネット経由で行うことができます。

電子自治体における各種の申請・届出システム

各自治体が展開している電子申請システムを利用した電子申請サービスを利用することができます。

法務局での電子証明の発行・取得の流れ

専用ソフトのインストール

電子証明書の発行申請をするためには、法務省が提供する「商業登記電子認証ソフト」を用いて必要なファイルを作成する必要があります。

まずは、専用ソフトウェアである「商業登記電子認証ソフト」を法務省のサイトからダウンロードしたうえで、利用するPCにインストールしてください。

なお、「商業登記電子認証ソフト」はWindowsのみ対応しています。詳しい動作環境については、ダウンロードページを参考にしてください。

申請用ファイルの作成

商業登記電子認証ソフトをインストール後起動したら、一番上の「鍵ペアファイル及び証明書発行申請ファイルの作成」を選択します。

鍵ペアファイルと申請ファイルの作成

情報入力画面が表示されるので、必要項目を入力後「鍵ペアファイル及び証明書発行申請ファイル作成実行」を選択します。

法人名や住所の表記が登記簿の内容と異なっていると差し戻しになる可能性があります。手元に登記簿を置いて、間違いがないことを確認しながら入力を行いましょう。

「鍵ペアファイル及び証明書発行申請ファイル作成実行」を行うと必要なファイルが作成されます。

「鍵ペアファイル及び発行申請書・委任状ファイルの格納先」で指定したフォルダには、申請書のPDFファイルが作成されます。プリントアウトしたうえで、代表者の生年月日・手数料の金額・申請人情報の記入と捺印を行うようにしましょう。

「証明書発行申請ファイルの格納先」で指定したフォルダには、「SHINSEI」というファイルが作成されます。USBメモリ・CD-ROM等のメディアには、このファイルのみを保存するようにしましょう。余計なファイルが入っているものは差し戻しされる可能性があります。

電子証明書の発行申請

申請先は、本社または主たる事業所の所在地を管轄する登記所です。記入・捺印を済ませた申請書、「SHINSEI」ファイルを格納したメディア、会社の印鑑カードを持って行きましょう。

管轄は以下の法務局のウェブサイトよりご確認ください。なお、返信用の郵便切手と封筒を同封すれば郵便で請求することも可能です。

窓口で手続きが完了すると「電子証明書発行確認票」が交付されます。

電子証明書のダウンロード

再び商業登記電子認証ソフトを起動したら、「電子証明書取得」を選択します。

入力画面が表示されるので、電子証明書発行確認票にあるシリアル番号を入力後、PCに保存されている鍵ペアファイルを選択し、鍵ペアファイルのパスワードを入力、最後に「電子証明書パスワード」を決めて入力します。

電子証明書取得

「電子証明書取得実行」を押下すると、電子証明書格納先に「.p12」という拡張子の電子証明書ファイルが作成されます。

以上で完了です。

自力での発行が難しい場合は?

商業登記電子証明書の取得は、前述のとおり専用ソフトを利用した手続きが必要になります。

Macのパソコンしか持っていない方や、下調べをするような時間も削減したいという方には『Graffer- 電子証明書取得サポート』がオススメです。

Graffer - 電子証明書取得サポート

『Graffer- 電子証明書取得サポート』を利用すれば、専用ソフトをインストールする必要はありません。インターネット上から申請を行い専用キットを請求し、郵送されてきた紙に捺印して法務局へ申請を行うだけです。

利用するためには、後述の発行手数料の他、『Graffer- 電子証明書取得サポート』のサービス利用料が必要です。

商業登記電子証明書の費用

肝心の費用はいくらなのか?が皆さんの最も気になるところだと思います。

商業登記電子証明書の利用料金は前払いで、証明期間(電子証明書の有効性を確認することができる期間)に応じて料金が設定されています。

料金は以下のとおりです(2019年12月時点)。

証明期間(ヶ月) 3 6 9 12 15 18 21 24 27
発行手数料(円) 2,500 4,300 6,100 7,900 9,700 11,500 13,300 15,100 16,900

商業登記電子証明を更新したい場合は?

期限を指定して発行した電子証明書については、その証明期間を後から変更することができません。

証明期間満了後も電子証明書を使用したい場合には、前述の手続きを再度行い、新たな電子証明書の発行請求を行う必要があります。

直近に変更登記の予定がある場合は要注意

電子証明書に記録されている、商号や代表者の情報などに関する変更の登記がされた場合、証明期間内であっても、電子証明書が無効になってしまう場合があります。

また、失効した場合に前払いした手数料の払戻しはされないため、直近で変更登記を予定している場合は、予めお近くの法務局に電話等で事前確認のうえ申請するようにしてください。

終わりに

私自身も起業した当初は、この電子証明書の存在を知らず、かなり無駄な時間を費やしていました…。e-govやe-Tax、オンラインバンクなどを併せて使うことで、頻度の高い手続きもほとんどオンラインで済ませることができるようになります。

まだ利用していない企業の方々は本記事を参考に是非利用してみてください!