小規模事業者持続化補助金とは?申請の流れや補助内容について

スタートアップのような小規模な事業者においては、資金や人材といった経営資源に大きな制約があることに加え、商圏や取り扱う商品・サービスが限定されていたり、景気変動などによる需要減少の影響を受けやすいといった特徴があります。

そのような小規模事業者(定義は後述します)に対して、経営計画の作成支援と一体となった販路開拓を行い、生産性の向上を図ることを目的として制度化された補助金が「小規模事業者持続化補助金」です。

小規模事業者持続化補助金は、補助上限金額こそ低いものの、様々な営業活動において活用できる、とても使い勝手のよい補助金です。

今回は、そんな小規模事業者持続化補助金についてご紹介していきます。

小規模事業者持続化補助金の補助対象者は、商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる「小規模事業者」に限定されます。

小規模事業者の具体的な定義については、以下のようになっています。

小規模事業者の定義

・サービス業(宿泊業や娯楽業以外):常時雇用する従業員の数が5名以下である企業
・サービス業のうち宿泊業や娯楽業 :常時雇用する従業員の数が20名以下である企業
・製造業やその他の業種      :常時雇用する従業員の数が20名以下である企業

なお、常時使用する従業員数には、以下は含みません。

①会社役員(兼務役員除く)
②個人事業主本人および同居の親族従業員
③申請時点で育児休業中・介護休業中・傷病休業中または休職中の社員
④以下のいずれかに該当する、パートタイム労働者
・日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて雇用される者、
または季節的業務に4か月以内の期間を定めて雇用される者
・所定労働時間が同一の事業所に雇用される「通常の従業員」
の所定労働時間に比べて短い者

小規模事業者持続化補助金とは

次に、本題の小規模事業者持続化補助金の内容について見ていきましょう。

小規模事業者持続化補助金の概要

小規模事業者持続化補助金の概要は以下のようになっています。

小規模事業者持続化補助金の管轄は?

補助金の出どころは、中小企業庁になります。

なお、補助金の申請にあたり必要となる経営計画の策定の補助などの各種窓口業務は各都道府県の商工会、商工会議所が担っています。

どのような補助金?

小規模事業者が新しい商品や販路を拡大するために行ったWebやチラシの作成・改良や広告掲載、生産性向上に必要な店舗改装などに関する経費を最大50万円まで補助してくれるという補助金です。

小規模事業者持続化補助金の内容について

小規模事業者持続化補助金の内容については以下の通りです。

対象となる事業

対象となりえる事業としては、「販路開拓への取り組み」と「生産性向上の取り組み」についてとなっており、具体的な例は以下の通りです。

・新商品を販売するためのWebサイトの構築やチラシの制作をする
・インターネットを利用して販売をするためのネットショップ構築をする
・新たな顧客層を開拓するための店舗改装を行う

このような内容が補助の対象となりえますが、それぞれの事業や企業ごとに対象は異なるため、一概に上記の内容が全て通るということではありません。

申請にあたっては、窓口である商工会や商工会議所に個別に相談することをおすすめします。

対象となる経費

補助対象となる経費は以下の3つの条件を全て満たしたものに限られます。

①使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
②交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
③証拠資料等によって支払金額が確認できる経費

具体的な経費項目としては、以下の通りです。

・機械装置等費
・広報費
・展示会等出展費
・旅費
・開発費
・資料購入費
・雑役務費
・借料
・専門家謝金
・専門家旅費
・車両購入費
・設備処分費
・委託費
・外注費

上記以外の経費は補助対象外となります。

補助金金額

補助金額の上限は50万円で、補助率は2/3以内となっています。

よって、75万円以上の対象経費が発生するケースにおいては、上限である50万円の補助金が出されるということになります。

必要な条件について

次に、補助金申請に必要な条件を見ていきましょう。

条件1:小規模事業主であること

前述の通り、小規模事業者であることは必須の条件です。

特に、常時使用する従業員数に関しては注意が必要なので、事前に商工会や商工会議所の窓口に相談のうえ、自社が対象になるか確認しておくとよいでしょう。

条件2:商工会・商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる国内事業者であること

ご自身が事業を営む地域が、どこの商工会または商工会議所の管轄になるかをチェックしておきましょう。

条件3:補助金申請時に創業済みであること

創業前の申請は出来ません。

開業届を出している個人事業主や、法人として会社を設立していることが条件となります。

条件4:商工会・商工会議所の支援を受けること

この補助金は、商工会・商工会議所が窓口となっており、商工会・商工会議所の相談員からアドバイスをもらいながら申請書類や経営計画の作成を進めていき、その後申込書類に押印してもらうことが必要となります。

小規模事業者持続化補助金を利用するメリット・デメリットについて

次に、小規模事業者持続化補助金を利用するメリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリットについて

まずはメリットから見ていきましょう。

最大50万円の補助金が出る

小規模事業者持続化補助金の最大のメリットは、50万円の補助金が出るということです。

小規模事業者においては、コストを抑えるためにWebサイト制作やチラシ制作などを内製で進めるというケースも多いと思います。しかしながら、十分な人的リソースがない小規模事業者においては、各種制作に貴重な内部工数を奪われてしまうことは大きな問題と言えます。

費用が掛かるものを補助金によってまかなえるのは、事業を拡大していくという部分において最大のメリットとなるでしょう。

自社の事業や計画を整理できる

小規模事業者持続化補助金を申請するにあたっては、商工会や商工会議所の相談員にアドバイスをもらいながら経営計画の作成を行うことが必要です。

この事業計画の作成等をする際に、第三者からフィードバックをもらえるため、改めて自社の事業について振り返りや各種施策の優先度などを整理できます。

このようなこともメリットの一つといえるでしょう。

デメリットについて

次にデメリットについても確認しておきましょう。

書類作成に時間が掛かる

他の助成金・補助金同様、デメリットの一つとして挙げられるのは、書類の作成時間がかかるということです。

普段書き慣れていない申請書類を提出することは、体力的にも精神的にも大変です。

事前に公開された申請書類に目を通して、申請に必要な労力を見極めたうえで、「本当にこの補助金を取得する必要があるのか?」自問自答するようにしましょう。

キャッシュアウトが先行する

当然ですが、補助金の支給は経費発生後の支給申請をもって行われます。

そのため、Webサイトの制作費などの各種経費などは一旦自社で支払いをする必要があるため、キャッシュアウトが先行することとなり、その部分をデメリットに感じる方もいるでしょう。

申請時期や流れについて

次に、小規模事業者持続化補助金の申請時期や流れについて見ていきましょう。

申請時期は?

まず、申請時期について見ていきます。

平成30年のスケジュール(実績)

平成30年度(第二次補正予算)のスケジュールは以下の通りです。

商工会議所:令和元年5月22日~令和元年7月31日(公募終了)
商工会  :平成31年4月25日~令和元年6月12日(公募終了)

この後のスケジュールは?

2019年の12月26日付で中小企業庁のHPの「中小企業対策関連予算」に小規模事業者持続的発展支援事業の概要が掲示されています。

中小企業庁 – 中小企業対策関連予算

また開示されているリーフレット内では、新たな加点要件として賃金アップについて触れられていますので、採択率をあげるために最新公募情報が開示された場合には詳しくチェックするようにしましょう。

過去のスケジュールを踏まえると令和2年の公募開始は、おそらく春以降であると考えられます。

申請の流れは?

次に、申請の流れについて見ていきましょう。申請は、以下の様な流れで進めていきます。

1.経営計画書・補助事業計画書の作成
2.商工会・商工会議所による補助事業者の要件等の確認
3.事業支援計画書などの作成依頼を商工会議所へ
4.締め切りまでに申請書類一式を商工会議所に送付
5.商工会・商工会議所による審査(面接はありません)
6.採択の場合は、通知後に取組開始
7.実施報告書の提出
8.商工会・商工会議所による報告書の確認
9.補助金の請求・受領

申請のポイントは?

最後に、申請のポイントについて見ていきましょう。

小規模事業者持続化補助金を受けるためのポイントとしては、商工会と商工会議所へのこまめな相談と情報収集です。

前述の通りこの補助金では、全ての窓口業務を商工会・商工会議所が担います。せっかくの機会ですので、経験豊富な窓口の相談員を有効活用して、経営計画の策定や申請手続きの事前確認を行いながら進めていきましょう。

また、公募タイミングを逃さないためにも、余裕をもったスケジュールで申請書の作成をすすめることもこの補助金の申請をするうえでのポイントになるでしょう。

まとめ

ここまで、小規模事業者持続化補助金についてご紹介してきました。

この補助金のメリットは、最大50万円の補助金を受け取れるということにあり、小規模事業者として販路拡大を目指す場合にはこの補助金を利用しない手はないでしょう。